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内服薬による薄毛・AGAの治療

AGAに対する内服療法

AGAは前述の通り、精巣や副腎で作られたテストステロン(男性ホルモンの一種)が毛包に到達し、そこで5α-還元酵素Ⅰ型(5α-RⅠ)とⅡ型(5α-RⅡ)の作用により活性型のジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、それが男性ホルモン受容体に結合し、頭頂部、前頭部の毛の成長を妨げることで発症します。5α-RⅠと5α-RⅡを比べた場合は、5α-RⅠは、大部分の皮膚の脂腺に多く発現しており、5α-RⅡは、毛包、前立腺、精嚢および精巣上体に発現しています。

毛包における役割はⅡ型の方が役割としては大きく、大部分はⅡ型によると考えられています。(図)
そのため、テストステロンを活性型にするのを妨げる、すなわち5α-還元酵素を阻害することで、AGAを予防治療できるかもしれないということは容易に想像がつきます。

5α-還元酵素Ⅱ型(5α-RⅡ)を阻害するのがフィナステリド(プロペシア)
5α-還元酵素Ⅰ型(5α-RⅠ)と5α-還元酵素Ⅱ型(5α-RⅡ)の両方を阻害するのがデュタステリド(ザガーロ)ということになります。

ミノキシジル外用薬について

フィナステリド(プロペシア)

フィナステリドが最初に商品化された時の商品名がプロペシアです(プロペシアの薬効成分がフィナステリドと言い換えてもいいでしょう)。

フィナステリドはテストステロンと似た構造を持ち、5α-RⅡと競合阻害します。テストステロンが5α-RⅡに結合する前に、フィナステリドが5α-RⅡと結合し、その活性を低下させます。 フィナステリドはテストステロンと構造が似ているということで、その作用自体が気になる方もおられると思いますが、フィナステリド自体には男性ホルモンとしての作用がないことが確認されています。フィナステリドは男性ホルモンの活性化を阻害するが、完全にそれを止めるわけではないので、骨濃度、骨代謝または血清リポタンパク質、および血清PSA(prostate specific antigen)値と性機能には明白な影響を与えないことが証明されています。従って、フィナステリドは、骨粗鬆症の発症、もしくは男性の血清リポタンパク質の変化を経由して、心血管疾患のリスクに影響を与えることはほとんどありません。

本邦において、フィナステリド(0.2mgおよび1mg)は、2005年10月に初めての内服薬の男性型脱毛症の治療薬として承認され、同年12月に発売されています。
毛周期を繰り返しながら、徐々に成長期の長さが伸びていき、毛髪量が増えていきますので、効果が実感できるまで6ヶ月ほどかかります。
フィナステリドでは、 Kawashimaらによる日本人に対する大規模な治験では48週投与で1 mg投与群で58.3%(77/132例)の患者で「やや改善」以上が見られたとのことですが、逆にいうとフィナステリドだけだと1年近く内服し続けても42%の方は改善が見られないということになります。その後オープン試験で合計3年間フィナステリドを投与したところ78%の患者に「やや改善」以上が見られました。

女性には効果がなく、特に妊娠中、授乳中は禁忌になります。
高齢者には効果が弱いとされています。
性異常障害の発生率に関しては、添付文書では‘主な症状はリビドーの減退 3 例(1.1%)、勃起機能不全 2 例(0.7%)等でした’。とあります。これはプラセボ群にもみられることなので、プラセボとの差はありませんでした。性機能の低下に関してはそれほど心配しなくてもいいというデータもある一方で、フィナステリドによる性機能への影響についてFDAが警告を行うなどいまだに議論の分かれる点です。

内服をやめると3〜6ヶ月で効果は消失します。内服中止後1年くらいで髪の毛は薬を飲まなかったらそうなったであろう状態に戻ります。

デュタステリド(ザガーロ)

デュタステリドの最初に販売された時の商品名がザガーロになります。元々は前立腺肥大症の治療薬として認められていましたが、前立腺の治療薬として使われている時からその発毛作用が知られており、オフラベルでAGAの治療薬として処方されていたようです。2015年9月にザガーロカプセル0.1mgとザガーロカプセル0.5mgのAGAに対する使用が承認されました。

テストステロン(男性ホルモン)を活性型のジヒドロテストステロン(DHT)に変換する酵素である5α-還元酵素Ⅰ型(5α-RⅠ)と5α-還元酵素Ⅱ型(5α-還元酵素Ⅱ型(5α-RⅡ)の両方を阻害するのがデュタステリド(ザガーロ)です。フィナステリド(プロペシア)は5α-RⅡだけを阻害しますが、デュタステリドは5α-RⅡだけでなく、5α-RⅠも阻害するため、理論的にはフィナステリド(プロペシア)で効果がなかった症例にも効果が期待できます。  

治験時のデータでもフィナステリド1mgとデュタステリド0.1mgはほぼ同等、フィナステリド1mgとデュタステリド0.5mgでは、デュタステリドの方が、やや効果は高い印象を与えます。
では、初めからデュタステリドを飲んだ方がいいのではないかとお考えの方もいらっしゃると思うのですが、それは誤りでフィナステリドを飲んで、改善が乏しければデュタステリドを飲むことをオススメしたいと思います。なぜならデュタステリドは、勃起不全13例(10.8%)、 リビドー減退10例(8.3%)、射精障害5例(4.2%)とかなり性機能に対する影響がかなり強いためです。デュタステリドは、5α-RⅡだけでなく、5α-RⅠも阻害するため、体内での活性化した男性ホルモンが減るためです。

骨格筋や骨に対する影響は今の所はっきりしていませんがほとんどないようです。

女性、子供には禁忌で、使用することはできません。

半減期は長く、一回飲んだだけで半減期は3.4週です。半減期は長いとはいえ、デュタステリドも内服を続ける必要があり、内服をやめると数ヶ月〜半年ほどで効果はなくなり、1年ほどかけて毛数、毛量は元に戻ってしまいます。

ミノキシジル内服

ミノキシジルは内服薬ではなく、むしろ外用薬として使われることが一般的です。 ミノキシジルは当初、血圧を下げる飲み薬としてアメリカで開発されましたが、治療中の患者に多毛が見られたことから薄毛の治療薬として注目され、外用薬として開発が進められました。ミノキシジル外用薬はAGAを含む薄毛治療に用いられるようになりました。
ミノキシジルの作用機序は、毛包周囲の血流を改善するだけでなく、IGFやHGF、VEGF、FGF-7といった成長因子の放出を促すなど、様々な生理的活性作用があることが最近の研究で知られるようになりました。
男女どちらの薄毛にも使用することができます。
現在、低用量のミノキシジルの内服療法が試され、高い効果が示されています。

そのように薄毛治療として優秀なミノキシジルで、もともと血圧を下げる飲み薬として開発された薬ですので内服しても問題ないと思う方も多いかもしれません。しかしミノキシジルの内服は副作用が多いので現在では使用には慎重になるべきと考えています。
ミノキシジル 内服には
・多毛(髪の毛以外の産毛も増えてしまう)
・血圧低下
・胸痛、息切れ、うっ血性心疾患、呼吸困難、むくみ
などの重篤な副作用があります。
そのため、基本的にはミノキシジルの内服は行わない方針としています。
ただし、他の治療で全く効果がない、心機能に問題がいない、患者の同意が得られた場合に限り使用を検討してもいいでしょう。
ただし経験豊富な医師が、極めて慎重に処方するべきで、漫然と処方するべきではありません。AGAクリニックなどで‘オリジナルタブレット’と称してミノキシジル内服薬が配合されており、ルーティンで処方されている場合がありますので、注意した方がいいでしょう。

パントガール

パントガールは女性の薄毛によく使われる内服薬です。

  1錠あたり
・チアミン(ビタミンB1)60mg
・パントテン酸カルシウム(ビタミンB5)60mg
・活性酵母100mg
・シスチン(アミノ酸の一種でケラチンにたくさん含まれており、頭髪の重要な要素です)20mg
・ケラチン(毛髪の大部分を占めるタンパク質です)20mg
・p-アミノ安息香酸(ビタミンB複合体の一つ)20mg
パントガールは女性のびまん性脱毛や休止期脱毛に対して効果あり、というエビデンスがあります。Lengg,Nらによると休止期脱毛(※)の女性に対してプラセボ(偽薬)と比べパントガール内服を6ヶ月行なった群では統計学的優位に成長期の毛が増え、かつ全体的に毛が増えたと報告しています。
副作用もほとんどありませんので、女性の薄毛で悩んでおられる方は内服を検討してもいいでしょう。
ただしエビデンスは休止期脱毛の症例だけで女性型脱毛症にどれほど効果があるかははっきりしません。

(※)休止期脱毛とは・・・休止期脱毛とは何からのショックが原因で毛包が十分に成熟しないまま急に休止期になることで発症します。出産、高熱、重症の感染症、急速なダイエット、重度な心理的ストレス、大きな手術、大出血、甲状腺異常、様々な薬剤、鉄欠乏がきっかけになります。原因薬剤としては経口避妊薬、レチノイド、ベータブロッカー、カルシウムチャネルブロッカー、抗うつ薬、NSAIDSなどがあります。それらのイベントののち、数週間〜数ヶ月ののちに髪の毛が抜けていきます。大きなショックがあると70%くらいの方で(軽度のものも含めると)休止期脱毛が見られるとの報告もあります。 

残念ながら男性の薄毛に対する効果を証明するデータはありません。

セファランチン(内服・外用)

セファランチンは植物由来薬剤で、タマサキツヅラフジという植物からの抽出物で内服薬は円形脱毛症に対して保険適応を有していますので、AGAにも効くのでは?と思う方も多いと思うのですが、現時点では、AGAに対する効果を示すエビデンスはほとんどありません。
セファランチンの外用薬も同様です。
当院でAGAの患者様に対してセファランチンをお勧めすることはまずありません。

グリチロン

グリチロンは甘草という植物由来の薬剤で、免疫を調整する作用があり、円形脱毛症に効果があり、保険適応を有しています。
円形脱毛症に効果があるので、AGAにも効果があるように感じられるかもしれませんが、AGAと円形脱毛症は全く異なる疾患です。AGAは男性ホルモンによる影響がほとんどなのに対し、円形脱毛症は自己免疫疾患(ご自身の免疫システムが誤ってご自身の毛包を攻撃してしまう)という側面が大きいのです。そのため全く別の疾患のため、円形脱毛症で効くからといってAGAでも処方するというのうは大きな誤りなのです。

ビオチン

ビオチンはビタミンB7とも呼ばれる内服薬で、欠乏すると脱毛をきたすことがあります。ビオチンは様々な食物で多く含まれるほか、腸内細菌叢で合成されますので、成人で不足することは少ないです。
先天性のビオチン代謝異常症の方を除き、ビオチンを内服することで脱毛症を改善できた、という報告はありません。ただし、安価であること、内服による副作用もほとんどないことから、偏食気味の方や胃腸の調子が慢性的に悪い方はサプリメントがわりに飲むといいかもしれません。AGAに効くというエビデンスはありません。

亜鉛

亜鉛も欠乏すれば脱毛の原因となります。成人の亜鉛欠乏症は偏食(特に菜食主義者)、慢性肝疾患、慢性炎症性腸疾患、透析中、高齢者などに起こりやすいとされています。
亜鉛欠乏症に伴う脱毛症の方に亜鉛を投与すれば脱毛症が改善されますが、AGAの方や、女性型脱毛は亜鉛の欠乏が原因でないので闇雲に亜鉛を投与しても髪が生えてくる可能性は低いでしょう。円形脱毛症の患者様には亜鉛投与で改善したという報告は多少あります。

そのほか、ビタミン剤の内服、アミノ酸の内服、抗酸化剤などが行われていますが、エビデンスは乏しく、単剤での効果はかなり限定的でしょう。あくまで補助の範囲にとどまる治療法です。

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