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運動すると薄毛の予防になる?

このような話を聞いたことがないでしょうか。
「もしかしかしたら、最近あまり運動をしていないから薄毛になったのかな?」と思われている方もいるかもしれません。
「運動で薄毛予防になるのなら、健康のためにも始めてみようかな」と考えている方もいるでしょう。
今回は運動不足が体にもたらす影響を見ながら、運動と薄毛の関係について詳しく解説していきます。

運動不足が体に与える影響

運動不足を軽く見ていらっしゃる方もいるかもしれませんが、意外と侮れません。
厚生労働省が出しているデータによると、運動不足が原因で亡くなってしまう方は、高血糖やアルコール摂取が原因で亡くなってしまう方よりも多い と言われています。
つまり運動不足はかなりのダメージを体に与えていると言えるのです。

参考:2007年のわが国における危険因子に関連する非感染性疾患と外因による死亡数(男女計)

筋力の低下

驚くことに、筋肉は1週間寝たきりの状態になるだけで、10~15%ほども減ってしまいます。
ケガをした老人が、そのまま寝たきりになりやすいのは筋力が低下してしまうためなのです。
寝たきりにならなくても、とくにトレーニングをしていない方ですと80代になるころには20代のときと比べて筋肉量は半分ほどにまで減ってしまいます。
40代から筋力は段々と低下していきますので、将来寝たきりにならないためにも、トレーニングを始めたいものです。

生活習慣病にかかりやすくなる

「健康のために運動をしましょう」と言われるのは、生活習慣病を予防したり改善したりする意味合いも大きいです。
糖尿病や高血圧、脂質異常症など生活習慣が原因で発症する疾患は、運動によって数値を改善することができます。
1回30分以上の運動を週に2回以上続け、さらにこれを1年以上継続している方は生活習慣病のリスクが低くなる ことがわかっているのです。

参考:生活習慣病予防に効果的な運動習慣“>

気持ちが落ち込みやすくなる

体を動かすと、ドーパミンやセロトニンなどの気持ちを元気にしてくれるような物質が分泌されます。
運動をすると、仕事であった嫌なことを忘れられたり、なんとなく気持ちが前向きになったりするのは、こういった理由がきちんとあるのです。
うつ病の患者さんに有酸素運動を1回30分、週に3回続けてもらったところ、症状が改善したというデータもあります。
運動習慣が気分の落ち込みにも関係しているのです。

全身の血流がよくなる

運動をすると全身の血流がよくなります。
とくに皮膚や筋肉の血流量は、安静時と比べて大きく増えることが特徴です。
全身にある血液を100%とすると、安静時に皮膚や筋肉に流れている血液量は18~26%。
運動するとこれが80~85%にまで上昇 します。

適度な運動をお勧めする理由

運動不足が体にさまざまな影響を与えることがおわかりいただけたでしょう。
ではここからは、本題の運動と薄毛の関係について説明していきます。
「運動が薄毛の予防になる」という噂を紐解いてみましょう。

全身の血流がよくなるから

運動が薄毛予防に効果があると言われている1番の理由は血流の改善です。
フロリダ大学が行った研究で、マウスを使って運動と薄毛の関係性について調べたものがあります。
運動をさせるマウスとさせないマウスのグループにわけて18か月間過ごさせ、それぞれの脱毛率について調べました。
すると運動したマウスの脱毛率は5%だったの対して、運動をさせなかったマウスの脱毛率は20%にもなったのです。

なぜここまで脱毛率に差が出たのでしょうか。
それは運動の有無によって血流量に差が出たからです。
マウスでの実験ですので完全に人にも当てはまる実験だとは言い切れませんが、マウスも老化によって薄毛になる生き物であることを考えると、人間にも当てはまる可能性は否定できません。
毛髪の成長に必要な栄養素は、血液を通して日々運ばれています。
そう考えると血流の改善が薄毛予防に少なからず影響していることは十分に考えられるでしょう。

「薄毛予防に頭皮マッサージがいい」と言われるのも、頭皮の血流を改善することで薄毛によい影響を与えることが期待されているからです。
発毛剤として有名なあのリアップの説明書にも、薬を塗布する前にマッサージをした方が効果的ですとしっかり書かれています。
運動はとくに皮膚の血流をよくする働きがあることから、薄毛への予防効果が期待されているのです。

ストレスを溜めにくくなるから

「ストレスは薄毛の原因だ」という言葉もよく耳にします。
円状に脱毛が見られる円形脱毛症もストレスが関係していると言われているのは有名です。
現在では遺伝も関係しているのではという研究が進められていますが、ストレスが原因だという説も完全には否定されていません。

また過度なストレスは細い血管を収縮させるため、血液の流れにも影響すると考えられます。
血管が収縮するというのは、血液の通り道が狭くなることですので、血流に影響が出そうなのはなんとなく想像できるでしょう。

運動が心理的に良い効果をもたらすことはさまざまな研究から明らかになっています。
不安を取り除き、気持ちをポジティブにすることでストレスを減らせることがわかっているのです。
運動によって、脳がリラックスしているときに出るα波が増えたり、幸福感と関係しているエンドルフィンを増やしたりすることもわかっています。

そもそもストレスを抱えることは薄毛うんぬんの前に体にとってよくありませんので、ぜひ運動習慣を身につけたいものです。

薬の副作用で薄毛になることがあるから

こちらはやや極端な例ですが、生活習慣病の治療薬の中には副作用で脱毛が見られるものがあります。
脂質異常症に使われるプラバスタチンやエゼチミブ、フィブラート系のお薬を使用した患者さんで薬剤性の脱毛症を発症したとの報告がなされています。
稀な例だと思われますが注意が必要です。
、また、血圧を下げる薬で薄毛になる場合があります。
抗がん剤での脱毛症は非常に有名ですが、生活習慣病の薬でも稀に脱毛症が起こりうるということは知っておいても損はないでしょう。

AGAによる薄毛は治療が1番

運動が薄毛の予防によいことは間違いないでしょう。
しかしどのタイプの薄毛にも効果があるとは残念ながら考えられません。
薄毛に悩む男性の多くはAGA(男性型脱毛症)が原因です。
AGAは男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンによって起こります。
ジヒドロテストステロンが毛髪の成長を邪魔するため、髪の毛がうまく育たずにボリュームが少なくなってしまうのです。

このジヒドロテストステロンは、テストステロンという男性ホルモンに5αリダクターゼ(5α還元酵素)が働くことで作られるものです。
酵素の働きによって作られたジヒドロテストステロンが、アンドロゲンレセプターにかっちりと結合すると毛髪の成長が抑制されます。

つまりAGAは、5αリダクターゼの働きが活発な方、アンドロゲンレセプターの感受性が高い方ほどなりやすいとうことです。
どちらもある程度は遺伝によって決まるため、AGAになりやすい方とそうでない方は、言ってしまえば生まれた時点で決まってしまっています。
つまり運動は、AGAによる脱毛よりも老化による脱毛を予防する効果の方が高いと考えられるでしょう。

まとめ

運動は血流をよくしたりストレスを軽減させたりする効果があることから、薄毛の予防によいことがわかっています。
血流がよくなれば毛髪に栄養素が届きやすくなりますし、ストレスが減れば血管が収縮しにくくなるので、こちらも栄養素が届きやすくなります。
運動は生活習慣病の予防にもなるため、健康のためにもぜひ続けていきたいものです。
しかし運動で予防できる薄毛には限界がありますので、やはりどうしても気になるときはしっかりと治療を行うことが近道となります。

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