ザガーロはプロペシアより高い効果が期待できる｜副作用や使用してはいけない人なども解説

AGAの症状進行を抑えたいときに役立つのがプロペシアやザガーロなどの内服薬です。
内服薬のうち、ザガーロの効果はプロペシアよりも高いとされています。

ザガーロはプロペシアでは十分な効果が出なかった方、より高い効果を期待したい方にメリットのある内服薬です。

今回の記事ではザガーロについて以下の点を重点的に解説します。

5α還元酵素2型のみ阻害するプロペシアに対し、ザガーロは5α還元酵素1型も2型も阻害
高い効果と高い持続性を期待できる
1日1回服用し、通常6ヵ月間は続けること
効果が高い分だけ副作用が出やすい

薬代についても解説するため、金銭的な負担が気になる方もご参考ください。

ザガーロはプロペシアより高い効果が期待できる｜5α還元酵素1型も2型も阻害

AGAは男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンが原因の1つとされています。
男性ホルモンのテストステロンと5α還元酵素との結びつきにより、生成されるのがジヒドロテストステロンです。

5α還元酵素には以下のように2種類あります。

5α還元酵素1型	後頭部や側頭部の頭皮、ほぼ全身の皮脂腺に多くみられる
5α還元酵素2型	前頭部や頭頂部の頭皮、ひげ、脇、陰部などに多くみられる

ジヒドロテストステロンは頭皮では髪の毛を薄くする作用、頭皮以外では体毛を濃くする作用があるとされています。
前頭部や頭頂部から薄毛が少しずつ進行するのがAGAです。

それぞれの内服薬で期待できる効果をご覧ください。

内服薬	有効成分	効果
プロペシア	フィナステリド	5α還元酵素2型のみ阻害
ザガーロ	デュタステリド	5α還元酵素1型も2型も阻害

プロペシアよりも高い効果を持つとされているのが、1型も2型も阻害するザガーロです。

有効成分の「血清中のジヒドロテストステロン値」と「半減期」をご覧ください。

有効成分	血清中のジヒドロテストステロン値	半減期
デュタステリド	90％ほど低下※1	約3～5週間
フィナステリド	69％・71％・72％低下※2	約3～4時間

※1 0.1mg、0.5mgを1日1回24週間投与した場合

※2 0.2mg、1.0mg、5.0mgを1日1回6週間投与した場合

出典：男性型脱毛症治療の現状と今後の展望／医療用医薬品 : ザガーロ

有効成分の効果が高いほど、血清中のジヒドロテストステロン値が低下しやすいです。
半減期は身体が持つ代謝・排泄により有効成分の血中濃度が半分になる期間を示します。
有効成分の半減期が長いほど、効果が持続しやすいです。

血清中のジヒドロテストステロン値の低下、半減期の長さ、ともにデュタステリドに優位性がみられました。

また、20歳から50歳の男性AGA患者への国際試験により、有効成分には以下の比較結果も出ています。

有効成分の用量	変化量※	フィナステリドとの差
デュタステリド0.1mg	63.0本	6.5本
デュタステリド0.5mg	89.6本	33.0本
フィナステリド1mg	56.5本	－

※頭頂部（円の直径2.54cm内）での毛髪数の変化

※デュタステリドは24週間投与した場合

出典：医療用医薬品 : ザガーロ

デュタステリド0.5mgで89.6本に対し、フィナステリド1mgは56.5本の変化量です。
毛髪の変化量でもデュタステリドの優位性がわかりました。

ザガーロの使用方法｜通常デュタステリドとして0.1mgを1日1回服用

有効成分の効果を十分に引き出すには、正しい使用方法の継続が大切です。
ザガーロには0.1mgと0.5mgのカプセルがあります。

男性成人の場合、デュタステリド0.1mgを1日1回服用するのが通常です。
0.1mgだと十分な効果が出ないときは、1日1回0.5mgへと増量します。
カプセルは噛まずにそのまま水、またはぬるま湯で服用します。

また、有効成分の効果には即効性がありません。
個人差がありますが、効果が出るまで3～6ヵ月ほどかかります。

1～2ヶ月の使用で効果が出ないからといって短期間で使用を中止しないでください。
ただし、6ヵ月以上過ぎてもAGAの症状改善がないときは、効果が出ない可能性が高いため使用を中止するのが原則です。

ザガーロの注意点｜副作用の出やすさや使用できない方など

ザガーロは効果が高い反面、以下の注意点があります。

プロペシアより副作用が出やすい
女性や小児など人によっては使用できない
値段がプロペシアより高い

それぞれの注意点について、詳しくは以下をご覧ください。

ザガーロの副作用はプロペシアより出やすい

有効成分の半減期はフィナステリドで約3～4時間のところ、デュタステリドで約3～5週間です。
半減期の長い有効成分は効果が持続しやすい反面、副作用も持続しやすい注意点があります。

デュタステリドの主な副作用は以下の通りです。

過敏症に関する副作用	発疹、蕁麻疹、アレルギー反応、そう痒症、限局性浮腫、血管性浮腫
精神神経系に関する副作用	頭痛、抑うつ気分、浮動性めまい、味覚異常
性機能・生殖系に関する副作用	性欲減退、勃起不全、射精障害、精巣痛、精巣腫脹
皮膚に関する副作用	体毛の脱毛、多毛症
消化器系に関する副作用	腹部不快感、腹痛、下痢
その他の副作用	女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感、倦怠感、血中CK増加※

※CK（クレアチンキナーゼ）は筋肉に多くみられる酵素の一種で、骨格筋へのダメージで値が上昇する場合あり

20歳から50歳の男性AGA患者への国内試験により、デュタステリドの副作用頻度について以下の結果がわかりました。

副作用の頻度※	16.7％（20／120例）
勃起不全※	10.8％（13／120例）
性欲減退※	8.3％（10／120例）
射精障害※	4.2％（5／120例）

※デュタステリド0.5mgを52週間投与した場合

出典：医療用医薬品 : ザガーロ

効果が似ている有効成分は、副作用も似ているのが一般的です。
24歳から50歳の男性AGA患者に行われたフィナステリドの国内試験により、副作用頻度について以下の結果がわかりました。

副作用の頻度※	・0.2mgで1.5％（2／137例）・1mgで6.5％（9／139例）
性機能に関する副作用※	・0.2mgで1.5％（2／137例）・1mgで2.9％（4／139例）
性欲減退（0.2mg・1mg）※	1.1％（3／276例）
勃起不全（0.2mg・1mg）※	0.7％（2／276例）

※0.2mg・1mgを48週間投与した場合

出典：医療用医薬品 : プロペシア

フィナステリド1mgの副作用頻度6.5％に対し、デュタステリド0.5mgは16.7％です。
副作用はフィナステリドよりデュタステリドのほうが出やすいと考えられます。

ザガーロを使用してはいけない方｜女性や小児、重い肝機能障害があるなど

以下に当てはまる方はザガーロを使用できません。

使用できない方	使用できない理由
女性	男性胎児の生殖器の発達に異常が出る可能性あり
小児	適応がないうえに、安全性や有効性が確立されていない
重い肝機能障害がある	有効成分が肝臓で代謝される関係上、血中濃度が上昇する可能性あり
円形脱毛症などAGA以外の脱毛症	脱毛症への適応はAGAのみ、AGA以外の脱毛症には適応がない

20歳未満も安全性や有効性が確立されていません。
過去に5α還元酵素阻害薬の使用でアレルギー反応など過敏症が出た方も使用しないでください。

また、皮膚から有効成分が吸収される場合があります。
女性や小児は割れたカプセルから漏れた有効成分に触らないほうがよいです。
もし、指で触ったときはすぐに石鹸と水で洗い流してください。

ただし、ザガーロは医療機関で処方を受け、医師の指示のもとで使用すれば安全性の高い内服薬です。
万が一、副作用が出てもすぐに医師に診てもらえます。

ザガーロの値段はプロペシアと比べると高め

ザガーロがAGAの治療目的で処方された場合、保険の給付は受けられません。（薬代は全額自己負担）
内服薬の処方を受ける医療機関によって異なりますが、1ヶ月分の値段は以下が目安です。

内服薬	値段の目安（1ヶ月分）
プロペシア（1mg28錠）	8,000円ほど
ザガーロ（0.5mg30錠）	1万円ほど

プロペシアと比べるとザガーロの値段は1ヶ月分で2,000円ほど高いです。
ザガーロを1年間継続した場合、トータルで12万円ほどの薬代がかかる場合があります。

薬代を節約したいときに便利なのが、値段の安いジェネリックです。
主なザガーロジェネリックは以下をご覧ください。

マイランEPD合同会社	デュタステリドカプセル0.5mgZA「MYL」
沢井製薬	デュタステリドカプセル0.5mgZA「サワイ」
東和薬品	デュタステリドカプセル0.5mgZA「トーワ」

ザガーロジェネリックであれば30錠7,000円ほどの値段が目安です。
プロペシアの値段よりザガーロジェネリックのほうが安い場合があります。

ただし、医療機関によってはジェネリックを処方していない場合があります。
医療機関公式HPにある「治療方法」や「料金表」をよく確認のうえで来院するとよいでしょう。

まとめ

今回は内服薬ザガーロについて、以下の点を中心に解説してきました。

ザガーロは5α還元酵素1型も2型も阻害、2型のみ阻害するプロペシアより高い効果が期待できる
有効成分の半減期が約3～5週間と長いため、効果が持続しやすい
男性成人はデュタステリドとして0.1mgを1日1回服用
効果が出ないときは1日1回0.5mgへ増量
効果の即効性はないため6ヶ月は継続使用
6ヶ月過ぎても効果が出ないときは使用を中止

デュタステリドは試験により高い効果と安全性が認められている有効成分です。

ただし、副作用が出やすい点には注意してください。
万が一、気になる副作用が出たときは処方を受けている医師にすぐに相談するとよいでしょう。