「まだ20代なのに、髪の毛が薄くなってきた気がする」
「もしかして自分、若ハゲ?」
鏡で見る自分の姿が、少しずつ寂しくなっていることにお悩みではないでしょうか。薄毛と聞くともっと年を取ってから進行しそうなイメージもあるかもしれません。しかし実は、20代でも十分に薄毛になる可能性があります。
薄毛になる原因から対策方法、そして薄毛の治療効果をできるだけ高めるためのポイントをここでは見ていきましょう。
20代の薄毛率は◯◯%!年齢別AGAの発症率
薄毛は早い方だと20代から始まります。知り合いと話をしていると、「実は自分も…」と薄毛の悩みを打ち明けられることも少なくありません。
薄毛の原因はAGA
AGAとは男性型脱毛症のことです。男性が薄毛になる原因のほとんどは、このAGAだと言われています。つまり薄毛が気になり始めたら「自分もAGAを発症したのかな?」と思うことが大切です。AGAという名前を知っておくだけでも、正しい対策を取りやすくなります。
20代でAGAになる可能性も大いにある
20代でのAGA発症率は約10%です。約10人に1人はAGAだと言えます。20代と言っても20歳から29歳と幅広くはありますが、いわゆる若ハゲに悩んでいる方は意外と多いのです。
自分がAGAかどうかを確かめる手っ取り早い方法は、クリニックを受診することでしょう。家族歴や脱毛の範囲、毛質を見ながら医師が総合的に判断します。
受診される方の中には、まったくAGAの気配がなく「気にしすぎ」な方もいますので、少しでも気になったらぜひ一度受診してみてください。気にしすぎだった場合は安心感につながりますし、AGAだった場合はそのまますぐに治療を始められます。
薄毛は年齢が高くなるほど発症率も高い
20代でAGAを発症している方の割合は10%でした。では他の年齢だとどうなのでしょうか。AGAの発症率は、年齢が高くなるほど上がっていきます。
・30代 約20%
・40代 約30%
・50代 約40%
全年齢を平均すると、男性の約30%はAGAに悩んでいると言えますね。約3人に1人がAGAと考えると、薄毛に悩んでいる方がいかに多いのかがわかるでしょう。
20代で薄毛になる原因
薄毛の原因は、先ほども触れたようにほとんどがAGAです。ここではAGAが進行してしまう原因をご紹介します。
男性ホルモンの影響
AGAは男性ホルモンが原因となって起こります。男性ホルモンのうち、ジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれるものがAGAを進行させる原因です。ジヒドロテストステロンは困ったことに、髪の毛の成長を妨げてしまうことがわかっています。
男性ホルモンは成長期を短くする
髪の毛は毛周期というサイクルを回りながら、成長したり抜けたりを繰り返すことが特徴です。成長期→退行期→休止期をぐるぐると長い時間をかけて回っています。
成長期は髪の毛が長く太く成長していく時期、退行期は髪の毛の成長が止まる時期、休止期は髪の毛が抜ける時期です。
すべての髪の毛が一斉に成長期や休止期に入るのではなく、それぞれの髪の毛がそれぞれのサイクルで回っています。だから本来なら、髪の毛が一気に抜けることはありません。
しかしAGAになると、成長期の期間がぐっと短くなってしまいます。そうすると必然的に退行期や休止期の髪の毛が増えてしまうものです。成長期の期間を縮める犯人が、先ほど出てきたジヒドロテストステロン。成長期が短くなることで、髪の毛が太く長くなる前に成長期が終わり、すぐに退行期や休止期に移行してしまいます。
どんどん中途半端にしか成長していない髪の毛が増えていくため、頭皮全体のボリュームが少なくなっていくのです。
20代の薄毛を治療する方法
薄毛の原因のほとんどがAGAということは、AGAの治療をすれば薄毛もほとんどは改善できることになります。ここでは代表的な3つの治療方法をご紹介しましょう。
塗り薬を使う
塗り薬はもっとも手軽に始められるAGA治療薬だと言えます。というのも、塗り薬なら薬剤師のいるドラッグストアや薬局でも購入できるからです。
「薄毛は気になるけど、クリニックに行くのはちょっと恥ずかしい」という男性は多いかと思います。誰かに見られたら嫌だという気持ちもあるでしょう。
ネットでも薬剤師が使用に関して問題ないと判断してくれた場合は購入できるようになっています。
塗り薬の主成分はミノキシジルです。ミノキシジルは短くなった成長期の期間を正常に整える働きをもっています。成長期が正常に戻ることで髪の毛がきちんと成長できるようになるため、髪の毛のボリュームを少しずつ取り戻すことが可能です。
ただし使ってすぐに効果は出ません。毛周期の関係もあり、最低でも4か月は続けて使う必要があります。
飲み薬を使う
飲み薬は、ジヒドロテストステロンの生成を抑制するフィナステリド(プロペシア)やデュタステリド(ザガーロ)が代表的です。これらのお薬がどう働くかを見る前に、まずはジヒドロテストステロンがどうやって作られるのかを確認しておきましょう。
ジヒドロテストステロンは、テストステロンという別の構造をもった男性ホルモンから作られます。テストステロンに5αリダクターゼ(5α還元酵素)が働くことで、ジヒドロテストステロンが作られる仕組みです。
フィナステリドやデュタステリドは、ジヒドロテストステロンの生成に必要な5αリダクターゼの働きを抑える飲み薬です。AGAを進行させるジヒドロテストステロンが作られにくくなるので、AGAの進行を抑えることができます。
あまり効果がない薄毛の対策方法
AGAの対策方法には、さほど効果がないのに広まっているものもあります。
たとえば
・育毛剤
・食生活や生活習慣の改善
・シャンプーでのケア
・サプリメント
などです。育毛剤は発毛剤(ミノキシジル)とは違って、髪の毛を生やす効果はありません。あくまで頭皮環境を整えるものです。
食生活や生活習慣が薄毛を進行させるから見直そうなどもよく聞きますが、薄毛の原因は多くがAGAであることを考えると、こちらも大きな効果があるとは考えにくいものです。
シャンプーやサプリメントも気休め程度にしかなりません。どれも「頭皮を健康に保つ」ことに焦点を当てれば意味がないとは言い切れませんが、髪の毛を生やす効果は期待できないものです。
薄毛の治療は早い段階で始めたほうが効果は出やすい
年齢を重ねることでAGAを発症している方が10%から20%、30%と増えていくことからわかるように、AGAを発症する方は年齢とともに増えていきますし、一度発症したら何も治療を始めない限りそのまま進行していきます。
しかも治療を始めるのが遅くなればなるほど、効果が出にくくなることもわかっているのです。治療をせずに放っておくと、薄毛の範囲が広がったり、髪の毛がさらに細くなったりします。症状が軽い方と進んでいる方とでは、もちろん進んでいる方で治療に時間がかかるのは想像できるでしょう。
またAGAをそのままにしておくと、毛根の働きが弱まって治療効果が思うように出ないこともわかっています。そのため薄毛が気になり始めた段階ですぐに治療を始めることがとても大切です。
「早めのAGA治療が大切」と言われるのは、時間が経つと治療効果を実感しにくいからなのですね。
まとめ
薄毛は20代からでも進行します。薄毛の原因の大半を占めるAGAは20代でも約10%の方が発症していることが明らかです。AGAは生活習慣でも食生活でも頭皮の汚れでもなく、ジヒドロテストステロンという男性ホルモンが原因で進行します。
対策が遅くなると効果が出にくくなりますので、薄毛が気になり始めたら早めにクリニックを受診して治療を始めましょう。