はなふさ皮膚科

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薄毛とアルコールの関係

アルコールの飲みすぎが肝臓に良くないことは多くの方がご存知のことでしょう。
しかしアルコールは、肝臓だけでなく髪の毛にも良くない影響を与えるとも言われているのです。
具体的にはどのような影響があるのか、アルコールと薄毛の関係性についてご紹介します。

アルコールが薄毛の原因になると言われている原因

「アルコールを飲みすぎると薄毛になる」と言われているのは、単にアルコールが体に悪そうというイメージがあるからではありません。
ここではアルコールが薄毛に関係すると考えられている4つの原因について見ていきましょう。

アセトアルデヒドの代謝で栄養素が消費される

お酒を代謝するときにビタミンが消費されてしまうのをご存知でしょうか。
ビタミンは髪の毛の成長にも必要なものなので、アルコールの摂り過ぎが髪の毛に良くないと言われているのです。

摂取したアルコールは、胃や小腸から吸収された後にほとんどが肝臓で代謝されます。
肝臓に多く存在しているアルコール脱水素酵素によってアルコール(エタノール)はアセトアルデヒドに代謝され、さらにアルデヒド脱水素酵素が働くことで酢酸になるというのが一連の流れです。最終的に酢酸は水と二酸化炭素にまで分解されます。

悪い酔いの原因となるアセトアルデヒドの代謝は、通常であればアルデヒド脱水素酵素が担うものです。
しかしアセトアルデヒド脱水素酵素の働きが追いつかなくなると、ビタミンB1を使う方法でも代謝が進んでいきます。
アルコールの代謝が体内で始まると、ビタミンB1の濃度が実際にどんどん低下していくことも明らかです。

ビタミンB1は、体を動かすためのエネルギーを作り出すのに必要な栄養素としてよく知られています。
他にも皮膚や粘膜を健康に保つ働きも持っているものです。
そのためアルコールの摂り過ぎによってビタミンB1が不足すると、疲れを感じやすくなるほか髪の毛を支えている頭皮にも影響が出るのではと考えられます。

ビタミンB1の他にも、アルコールの代謝時にはアミノ酸や亜鉛が消費されることも知られています。
アミノ酸はタンパク質の元となるもの、亜鉛は不足すると脱毛を起こすことがわかっている栄養素です。
亜鉛は髪の毛に良いものとしても一般的に広く知られていることから、ドラッグストアのサプリメントコーナーで亜鉛を手に取る男性をよく見かけるものです。

このようにアルコールの摂取は、髪の毛の成長に必要となるさまざまな栄養素を体から奪ってしまいます。

アルコールに含まれている糖分が皮脂分泌を増やす

毛穴に皮脂が詰まると髪の毛に悪いとはよく聞く話です。実際に皮脂の影響で薄毛になることはありませんが、皮脂汚れを放っておくとニオイやベタつきの原因になり見た目にも良くありません。
アルコールを摂りすぎると皮脂分泌量が増えてしまう可能性があるので注意しましょう。
特に甘いカクテルを好む方は要注意です。皮脂を分泌している皮脂腺は、血液中にある糖分を使って皮脂を作り出します。
つまり糖分の多いアルコールを飲むと、皮脂の分泌が増える可能性があるのです。

タンパク質を合成する肝臓の働きが落ちる

髪の毛の約80%はタンパク質からできています。つまり健康な髪の毛は十分なタンパク質がないと育たないとも言えるでしょう。
アルデヒドを摂りすぎると、髪の毛のほとんどを占めるタンパク質が減ってしまう可能性があります。なぜならタンパク質は肝臓で作られているからです。

肝臓はアミノ酸からタンパク質を作り出す工場の働きも持っています。
しかしアルコールをよく飲まれる方の肝臓は、常にアルコールの代謝で手一杯です。
飲みすぎると肝臓の働きそのものが低下してしまうこともあるでしょう。そうなるとタンパク質が作られにくくなってしまいます。
タンパク質は髪の毛を構成する大切な成分であることから、アルコールの摂り過ぎは髪の毛に良くないと言われているのです。

通常の量のアルコールのみが原因で薄毛になることはない

アルコールを飲むと頭皮を健康に保つビタミンB1が減ったり、皮脂分泌量が増えたりなどの影響が出ると言われています。
お酒をよく飲む方からすれば、髪の毛を取るかお酒を取るかで一大問題でしょう。
たしかにお酒に含まれている成分や、代謝経路を細かく見ていくと髪の毛に影響がないとも言い切れない部分があります。
過度のアルコール摂取が原因で肝硬変、肝不全になってしまった場合は薄毛の原因になりうると考えていいでしょう。

だからといって「今日からお酒はやめよう」と意気込む必要はありません。

栄養素が少し不足したくらいで薄毛にはならない

髪の毛は毛乳頭が血液から栄養を受け取り、毛母細胞が細胞分裂していくことで成長していきます。
栄養失調になるほど栄養が不足した状態が続けば、髪の毛が細くなったりハリやコシがなくなったりすることも考えられるでしょう。
しかしアルコール摂取によってごく微量の栄養素が少なくなったくらいでは、髪の毛にほとんど影響がありません。
むしろアルコールを飲むことで薄毛になるほど栄養の吸収に影響があるのなら、もっと大々的にアルコールと栄養失調の危険性についてアピールされても良いはずです(ただし過度の飲酒でビタミンB1が不足しうることはよく知られている)。

よく考えてみるとわかることですが、アルコールがまったく飲めない方でも薄毛に悩まされているケースは普通にあります。
逆に浴びるほどアルコールを飲む方でもフサフサを保っていることもあるものです。
これらのことからも、アルコールを飲み過ぎたから薄毛になるということは非常に考えにくいものだと言えます。

毛穴に皮脂が詰まると薄毛になるは間違い

スカルプ系の商品が男性化粧品コーナーに並べられていることは多いですが、毛穴の詰まりで薄毛になることはありません。
毛穴に皮脂が詰まると髪の毛に悪そうというイメージが先行してしまっているだけです。

タンパク質はたしかに大事な栄養素

髪の毛はタンパク質がほとんどを占めているため、健康な髪の毛を保つためにはタンパク質の摂取が大切です。
アルコールを摂取するとタンパク質の合成に影響が出る可能性はあるものの、髪の毛の成長が阻まれるほど合成能力が落ちるとは考えられません。
ただし肝硬変になるとタンパク質の生成能力が阻害され、薄毛になりうることは知られています。

男性が薄毛になる原因のほとんどはAGA

なぜ男性は年齢とともに薄毛になりやすいのでしょうか。約3人に1人が悩んでいると言われている薄毛のほとんどは、AGA(男性型脱毛症)が原因です。

AGAのメカニズム

AGAは男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンが毛髪に働くことで起こるものです。
ジヒドロテストステロンが髪の毛の成長を妨げる方向に働いてしまいます。
薄毛はアルコール摂取でもなく食生活や生活習慣でもなく、このジヒドロテストステロンが原因なのです。

AGAの治療方法

男性の薄毛は、ほとんどがジヒドロテストステロンに影響によるものであることから、ジヒドロテストステロンの量を減らすことでAGAの進行を食い止められます。
たとえばジヒドロテストステロンの合成に必要な酵素の働きを阻害するプロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)は治療薬として有名です。
他に毛周期を正常に整えて髪の毛が成長しやすい状態にするミノキシジルもよく使われます。

まとめ

アルコールは髪の毛に悪いと言われますが、実際に適正量の  アルコールが原因で薄毛になることはほぼあり得ません。男性が薄毛になる多くの原因はジヒドロテストステロンであることがわかっています。健康のために食生活を改めることは大切ですが、薄毛を改善する1番の近道はしっかりと治療を始めることです。

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