はなふさ皮膚科

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抜け毛は「湯シャン」で防げる?効果について解説します

シャンプーを使わずお湯だけで髪を洗う「湯シャン」は抜け毛を予防する・・・インターネットが今ほど普及していない頃から言い伝えられている話題ですが、これは本当でしょうか。

結論から言えば湯シャンが抜け毛の予防効果になるという、はっきりとしたデータはありません。皮膚が弱くいつも頭皮がガサガサ、シャンプーの刺激に耐えられないなど、頭皮環境の改善に悩んでいる方はチャレンジしても良いかもしれません。

ただし、それ以外の理由、たとえば男性ホルモンが原因の脱毛「AGA」には効果は期待できません。
AGAに対しては、ホルモン作用に働きかける薬(フィナステリド内服薬、ミノキシジル外用薬など)やHARG治療などを行わないと悪化します。
脂漏性皮膚炎など、皮膚病が原因の抜け毛にも逆効果です。
頭皮が不潔になると皮膚炎の原因になるカビがますます増えて悪化しかねません。カビに対して効果的な成分を含むシャンプーで洗いましょう。
明らかにこれらが原因なら、治療を最優先にすべきです。

湯シャンは「ていねいに洗う」「すぐに乾燥」を心がけて!

「湯シャンは不潔じゃないのか?」
と不安になるかもしれません。
お湯シャンプー、湯シャンは「頭皮を守る皮脂膜を守る」効果が期待できます。ただし、それは適切に行ってこそ。
湯シャンでもやり方を間違えると頭皮の皮脂膜を必要以上に奪ってしまい、逆効果になることもあります。

湯シャンはシャンプーを使わない代わりに一手間が必要です。シャンプーはとても簡単に汚れを落とせるので、なんの工夫もいらないからです。

シャンプーの主成分は界面活性剤という、水と油どちらにも作用する成分です。
植物の渋味成分(サポニン)などに含まれる成分で、古代ローマでは動物を焼いたあとに残る灰と動物の脂が混ざったもの(石けんの原型)で洗っていた記録があります。
界面活性剤は水(シャワー)と油(皮脂汚れなど、頭皮の汚れの多くは油です)をくっつけて簡単に取り除きます。手軽に頭皮の汚れを落としてくれますが、強すぎると頭皮を守るための皮脂バリアーまで剥がしてしまいます。
頭皮バリアーまで取り除いてしまうシャンプーを使い続けると頭皮が荒れ、炎症を起こして脱毛を引き起こすリスクがあります。
湯シャンはそのリスクを下げ、頭皮の回復力を高める効果が期待できます。

湯シャンを正しく行うために、この3つの手順は必ず実践しましょう。
①風呂に入る前に、豚毛ブラシなど柔らかめのブラシで髪をしっかり漉く
②41~42℃のシャワーで3分ほど、指の腹を使って頭皮全体をマッサージするようにそそぐ
③風呂から上がり、タオルドライをしたらすぐにドライヤーで乾かす

①は頭皮や髪の汚れを落とすための準備です。
手間ですが、これをしないと効率的に汚れを落とすことができません。

②は、少し熱めのお湯で注ぐことが大事です。
油汚れは高い温度で溶けて流れやすくなります。ちょっと高めの温度のシャワーで洗うことで、界面活性剤に頼らなくても皮脂汚れを適度に落とす効果が高まります。
(界面活性剤ほどの即効性はありません)
洗い方も大事です。守ってほしいのは「絶対に爪を立てない」こと。
爪を立ててゴシゴシ頭皮を洗うと頭皮に傷がつき、ますます頭皮が荒れてしまいます。爪の間は雑菌が多く、感染症を引き起こすリスクもあります。そうなれば脱毛はますます悪化しかねません。
爪を立てなくても、ていねいに指の腹で洗えば十分に汚れは落ちます。

③は頭皮の雑菌やカビを増やさないためには欠かせません。
シャンプーに含まれる界面活性剤は皮脂汚れだけでなく、ウイルスや細菌を壊す働きがあります。湯シャンではその効果がないので、水に濡れたままだと細菌や真菌(カビ)、ウイルスが増えやすくなります。
それを防ぐためにも、必ずドライヤーで乾かしましょう。

湯シャンで臭いは気になる?かゆみは出る?

体質にもよりますが湯シャンを続けると、かゆみや臭いが出ることがあります。

人体は、環境に応じて対策をします。
たとえば毎日何度もシャンプーを続ける環境にあると、頭皮は自分を守るためにたくさん皮脂を分泌します。
湯シャンはあまり皮脂を落とさないので、初めてしばらくの間は頭が皮脂でベタベタになるかもしれません。
皮脂が多すぎると雑菌が沸いて、臭いが強くなります。刺激でかゆみが出てしまうことも。
こういう場合には明らかに不潔な状態ですので、シャンプーを使って余計な皮脂を洗ったほうが良いでしょう。

しかし、これを続けていくと徐々に頭皮が「あまり皮脂を出さなくても頭皮は守れる」と判断します。そうなると、だんだんと余計な皮脂を出さないようになります。(個人差はあります)
そうなれば、やがては湯シャンだけで清潔な頭皮が保てるようになるでしょう。

いきなり湯シャンだけ!というのは極端なやり方です。
2~3日に1回はシャンプーを使うなど「移行期間」を設けることをお勧めします。

どんな方なら湯シャンに効果がある?NGな場合も?

生活環境や体質などで「湯シャンが合う」「合わない」方はいます。
「合う方」
・もとから体臭が少ない、あまり汗をかかない
・リモートワークなどでインドアな生活環境
・一日に何度も洗髪をする
・整髪剤をあまり使わない

「合わない方」
・体質的に体臭が強い、汗をたくさん流す
・接客、営業など他人と関わる仕事をしている
・整髪料をよく使う
・一人暮らし、または他人から批判を受けにくい立場にある

やはり体質は大きなポイントです。体臭は食習慣や生活習慣である程度変わりますが、遺伝的に強い人はいます。
汗を出す管のそばにあるアポクリン腺が多い体質の人は、体臭も強くなりがちです。
湯シャンは皮脂を完全に取り除くことができないため、体臭が強くなることがあります。その場合は無理せず、シャンプーを使いましょう。

そして怖いことに、体臭は自分では気づきにくいのです。
臭覚は同じ臭いに慣れやすいので、自分では気づかなくても周囲に影響を与えることも。
だからこそ「指摘してくれる第三者」が必要です。

最近は感染症予防のためにリモートワークが勧められています。
リモートワークができるなら家の中にずっといるので、湯シャンを試してみてもいいかもしれません。
ただ、家族や周囲の人に指摘されたらシャンプーしたほうが賢明です。

整髪料はガンコに髪や頭皮にこびり付きます。
整髪料をマイルドなものに変える、水に溶けやすいものに変えることである程度は防げますが、きちんと落としたいなら湯シャンだけだと難しいのが現状です。

まずは「週末だけ湯シャン」「数日に一度はシャンプー」から

湯シャンは誰にでも有効な洗髪ではありませんが、合う人には合う方法です。
余計な皮脂を落とさないので頭皮や髪のコンディションは抜群、トリートメントも不要、という理想的な状態を保てる方もいます。

週末だけなら仕事に支障も出ず、トラブルがあればすぐに対処できます。休みが不定期な方は仕事がオフの日に試してみましょう。

また、湯シャンはAGAなどホルモンが原因の抜け毛や皮膚病には効果はありません。自己判断せずに、まずは皮膚科のクリニックで相談してから始めることをお勧めします。
特にAGAは治療が早ければ早いほど効果が期待できます。悩む前にまずはクリニックに相談して、改善していきましょう。

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