はなふさ皮膚科

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ストレスと薄毛の関係

「ストレスをためると薄毛になるので、ストレスをためないように注意しましょう」

このような言葉を聞いたことがないでしょうか。
「ストレスをためない」と、言葉では簡単に言えますが、一切のストレスをためずに生活をするのはまず無理なことでしょう。
ここではストレスで本当に薄毛になるのか、他にどのような不調をきたすのか、そしてどうすればストレスをためずに生活できるのかなどを解説していきます。

ストレスと薄毛の関係性は低い

結論から言ってしまいますと、ストレスと薄毛の関係性は高くありません。
薄毛の原因を知っておくと、ストレスと薄毛に大きな関係がないことを納得していただけるかと思います。

薄毛の原因

年齢とともに男性の毛量が減っていくAGA(男性型脱毛症)と呼ばれる疾患は、ジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンが原因で起こるものです。
ジヒドロテストステロンがアンドロゲンレセプターと呼ばれる受容体に結合すると、毛髪の成長を止める働きをしてしまいます。
その結果、髪の毛が長く細く成長していく成長期の期間がぐっと短くなるため、毛髪がきちんと成長しきれずに薄毛になってしまうわけです。
後で詳しく解説しますが、間接的にストレスが薄毛の原因を作ってしまうことはあっても、ストレスそのものがAGAを進行させるのは考えにくいでしょう。

薄毛は遺伝子によるものが大きい

AGAになりやすいかどうかは、ジヒドロテストステロンの作られやすさと、アンドロゲンレセプターの感受性の高さによって決まります。
ジヒドロテストステロンは、テストステロンに5αリダクターゼ(5α還元酵素)が働くことで作られるものです。
もともと5αリダクターゼが多い方はジヒドロテストステロンが作られやすいと考えられます。
アンドロゲンレセプターの数が多い方もジヒドロテストステロンが結合しやすくなるため、AGAになりやすいと考えられるでしょう。

国によって薄毛の方の割合が違うことも、遺伝子による影響が大きいことを示しています。
たとえばドイツでは41.24%の方が薄毛です。
一方で日本は26.78%となっています。
日本より1.5倍もドイツ人の方が薄毛になりやすいのです。
年間の労働時間が日本より317時間も少なく、世界的に見ても労働時間が短いことで有名なドイツ でも、日本より薄毛の方の割合が多いのはなぜでしょうか。
労働時間だけがストレスの尺度ではないのももちろんありますが、これらのデータは遺伝子の影響が大きいことを示しています。

ストレスが与える影響

先ほどからストレスと薄毛の関係性は“低い”と言ってきました。
あえて“無関係”とは言っていません。
なぜなら間接的にストレスが薄毛を助長させることがあるためです。
ここからはストレスが体に与える影響と薄毛の関係性についてご紹介しましょう。

発熱

風邪を引いたときに出る熱とは違い、心因性発熱と呼ばれるものがあります。
37度くらいまでしか上がらない方もいれば、39度以上と高熱が出る方もいます。
ストレスがかかると交感神経の活動が優位になり、体温が上がってしまうのです。
心因性発熱は、風邪のときに出る熱とはメカニズムが違うため、解熱剤を飲んでも効きません。
長い方ですと2週間以上も熱が続くケースがあります。

あまり知られてはいないことですが、熱によって脱毛が見られることもあるのをご存知でしょうか。
40度以上の高熱が出ると、たんぱく質でできている毛髪は高体温が原因でダメージを受けてしまうのです。
たんぱく質は一度ダメージを受けると元に戻らないため、そのまま毛髪は抜け落ちてしまいます。
心因性発熱で40度を超えることも、高熱によって脱毛が起きることもまれなケースではありますが、可能性として考えられないことではありません。

食欲低下・嘔吐

私たちの体は交感神経と副交感神経がバランスを保って働いています。
しかしストレスがかかると、交感神経が優位になってしまうため、体にさまざまな不調をきたしてしまうのです。
ストレスで食欲がなくなった経験がある方は多いのではないでしょうか。
交感神経が優位な状態は、胃腸の働きが抑えられているため食欲がわきません。
食欲がわかずに食べ物を口に入れない状態が続くと、栄養失調になってしまうことも考えられます。
栄養不足な状態が続くと毛髪が健康に育たないため、髪の毛が細くなったり抜け毛が増えたりしてしまうのです。
嘔吐を繰り返している方も同様に、栄養不足で抜け毛が増える可能性があります。
しかし目で見てわかるほどボリュームが少なくなることはあまりなく、お風呂で「抜けが増えたな」と実感するくらいにとどまるでしょう。

うつ病

うつ病になると気分がふさぎがちになったり、ときにはベッドから起き上がれなくなったりとさまざまな症状が出ます。
うつ病でも食欲低下が起こるため、毛髪が健康に育たなくなる可能性があるでしょう。

円形脱毛症

いわゆる10円ハゲもストレスで起こると考えられているものです。
近年では自己免疫疾患により起こるとも考えられています。
外敵から身を守るために働いているはずの免疫が、誤って自分自身を攻撃することで毛根がダメージを受けて抜け落ちてしまうのです。
ただし円形脱毛症は髪の毛全体のボリュームが減というよりは、局所的にごっそりと抜け落ちていくためAGAとは症状の現れ方が異なります。

ストレスで血流が悪くなり薄毛になるは本当か

ストレスで薄毛になると原因として「ストレスがかかると血流が悪くなるから」と言われている方もいます。
たしかにストレスは交感神経の働きを優位にするため、血管が収縮してしまうことは事実です。
ここで1つ考えてみてほしいことがあります。
血管が収縮するのはストレスがかかっているときだけではありません。

高血圧の患者さんで考えてみましょう。
高血圧は血管の弾力性が減ったり血管が収縮したりすることで起こるものです。
血管が細くなるとより大きな圧力をかけなければ血液が循環しなくなるため、血圧が上がります。
もし血管が収縮すると薄毛になるのであれば、高血圧の患者さんの多くが薄毛になってしまうはずです。
しかし現実として高血圧と薄毛の関係性は明らかではありません。
このことからストレスで血流が悪くなったとしても、薄毛になるとは考えにくいでしょう。

ストレスの発散方法

ストレスでAGAになることはありませんが、食欲不振などにより一時的に抜け毛が多くなることはあります。
AGAは放置している限り治ることはないものの、ストレスによる薄毛は時間がたてば自然と改善してくるものです。
とはいえストレスがたまっている状況は気持ちのいいものではありません。
健康のためにもできるだけストレスをためない工夫が大切です。

・スポーツをする
・筋トレをする
・趣味に没頭する

など、自分に合ったストレス発散方法を見つけましょう。
とくにスポーツや筋トレはおすすめです。
体を動かすことでセロトニンの分泌が盛んになり、気持ちが前向きになることが明らかになっています。
体も引き締まりますし、生活習慣病の予防にもなりますので、ぜひ取り組んでみてください。

まとめ

AGAはジヒドロテストステロンが原因となって起こるものです。
そのためストレスでAGAになることはありません。
しかしストレスによって食欲不振になると毛髪の成長に必要な栄養が不足するため、一時的に抜け毛が増えてしまうことはあります。
まれではありますが高熱により脱毛が起きるケースも考えられるでしょう。
ストレスは血管を収縮させるから薄毛になるという話もありますが、こちらも信憑性はありません。
とはいえストレスは体にいいものではないので、ためこまないような工夫が必要です。
男性の薄毛はストレスではなくAGAによるものがほとんどであるため、薄毛が気になりだしたらきちんと治療を始めることも重要となります。

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