フケにはカサカサに乾燥した乾性フケと、脂っぽくじっとりした脂性フケの2種類があります。フケの種類によって原因も違えば対処方法も違うので、種類に応じて適したケアをしなければいけません。
フケが出る状態のまま放っておくと、髪の毛の成長に悪い影響を与えてしまう可能性もあるでしょう。ここでは乾性フケと脂性フケの原因や対処法、フケと薄毛の関係性などについてご紹介します。
フケには乾性フケと脂性フケの2種類がある
普段あまり気にすることはないかもしれませんが、フケはどれも同じというわけではありません。フケの状態をよく見てみるとカサカサに乾燥したものもあれば、湿って脂っぽいものもあります。
色が白くて手触りがサラサラとしていれば乾性フケ、黄色っぽい色をしていて指にべっとりまとわりつくような感じであれば脂性フケです。
フケが出る原因
フケは頭皮の状態が悪いと出るものというイメージがどうしても大きいのですが、実は健康な方でもフケは必ず出ます。なぜならフケは、頭皮がターンオーバーを繰り返すことでできるものフケは、頭皮がターンオーバーを繰り返すことでできるものだからです。頭皮だけでなく皮膚は、常に新しい皮膚が生まれ変わり古い皮膚が剥がれ落ちるのを繰り返しています。このときに剥がれた古い皮膚がフケです。
乾性フケの特徴と原因
乾性フケは、頭皮の乾燥が原因となります。肌が乾燥すると白く粉を吹いたような状態になるのと同じで、頭皮も乾燥が進むと表面の皮膚がポロポロと剥がれやすくなってしまうのです。乾燥が原因のため、フケをさわるとカサカサと粉っぽくなっています。
乾性フケの原因としては、次のようなものが代表的です。
・紫外線
・洗浄力の強いシャンプー
・洗髪のしすぎ
紫外線をよく浴びる生活をしている方は、頭皮が乾燥しやすくなります。頭皮のバリア機能が低下して水分が飛びやすくなるためです。洗浄力の強いシャンプーを使ったり、洗髪を頻繁にしすぎたりすることも頭皮の油分を必要以上に奪ってしまうため、乾燥につながります。
脂性フケの特徴と原因
脂性フケは、過剰な皮脂が原因です。皮脂が多い状態が続くと、マラセチア菌という真菌が皮脂を栄養にして過剰に増殖してしまいます。マラセチア菌によって皮脂が分解されてできた物質は皮膚を刺激する性質をもつことが特徴です。
そのためマラセチア菌が増殖すると、頭皮が炎症を起こしフケが出てしまいます。マラセチア菌が原因でフケが増えることを、とくに脂漏性皮膚炎と呼ぶこともあります。
脂性フケはさわるとべったりとしており、手にまとわりつくような感触が特徴的です。色はやや黄色みがかっていることがあります。
脂性フケの原因としては、次のようなものが代表的です。
・洗髪を十分に行えていない
・シャンプーやトリートメントのすすぎ残しがある
・皮脂の分泌量が多い
洗髪がきちんとできていなければ、頭皮に皮脂がどんどん溜まってしまうのでマラセチア菌が繁殖しやすい状態になります。シャンプーやトリートメントなどのすすぎ残しもマラセチア菌が繁殖する原因です。
もともと皮脂分泌量が多めの方も、脂性フケが出やすくなります。
フケの対処方法
乾性フケと脂性フケとでは、それぞれ原因がまったく異なるものです。そのためフケの原因に合わせて対処しなければ、フケを治すことはできません。
乾性フケの対処方法
乾性フケを治すためには、とにかく頭皮の乾燥を防ぐことが大切です。そのためにはシャンプーの種類や洗う頻度を変えることがもっとも重要になります。皮脂詰まりが薄毛に原因になると言わることもあることから、洗い上がりがサッパリめのシャンプーを使っている方も多いでしょう。
・シャンプーを見直す
フケがパラパラしていて乾燥している方は、頭皮が乾燥している証拠です。あらためて使っているシャンプーの見直しをしてみましょう。おすすめはアミノ酸系の洗浄成分を配合したシャンプーです。アミノ酸系シャンプーは、とくに保湿力が高いシャンプーとして知られています。
脂性フケの対処方法
脂性フケの場合は、とにかく皮脂を取り除くこと、そして症状に応じて治療薬を使うことが大切です。
・シャンプーを見直す
しっかりシャンプーをしているはずなのに頭皮がベタつく方は、シャンプーの洗浄力がたりていない可能性が考えられます。とくにアミノ酸系のシャンプーは保湿力が高く皮脂を取り除く力が弱いことが特徴です。
高級アルコール系や石けん系のシャンプーは洗浄力が強いので、こういったシャンプーに変えてみてください。高級アルコール系は成分に「~硫酸」、石けん系は「石けん用素地、純石けん」と記載されたものが入っていることが多いです。ただしこれらのシャンプーは逆に頭皮が乾燥しすぎることもあるので、頭皮の様子を見ながら使うようにしてください。
・薬を使って治療する
マラセチア菌は放っておいてもなかなか退治できません。しっかりと頭皮を洗っても症状が改善しない場合は、薬での治療も検討してみてください。マラセチア菌をやっつける抗真菌薬や頭皮の炎症を抑えるステロイド剤などを使って治療を行います。
フケは薄毛と無関係とは言い切れない
「フケは薄毛の前兆って聞いたけど本当?」
「放っておくと薄毛になるって聞いたから不安」
フケが薄毛の原因であるかのような話はよく聞きます。フケがなかなか治らない方は、このまま薄毛になってしまうのかもと心配されているかもしれません。
基本的にフケ=薄毛ではない
フケが直接、薄毛の原因となることはありません。とくに男性が薄毛になる場合は、原因のほとんどが男性ホルモンによって起こるAGA(男性型脱毛症)だと言われています。
AGAは、男性ホルモンの1つであるジヒドロテストステロン(DHT)が髪の毛の成長を邪魔することで起こるものです。フケはジヒドロテストステロンとなんの関係性もないため、フケが多いからといって薄毛になるとは言えません。
頭皮の状態によっては薄毛につながることがある
フケが薄毛と関係ないとはいえ、フケがある状態が頭皮にとって良いとは言いがたいものです。
頭皮は髪の毛を支える土台でもあるので、頭皮の環境が荒れると髪の毛の成長に影響が出てしまうことも考えられます。
とくに脂性フケの場合は、頭皮をかきむしることで髪の毛がちぎれるように切れてしまうこともあるでしょう。フケが薄毛の直接の原因となることはありませんが、場合によっては髪の毛の成長に影響を及ぼす可能性があります。
薄毛が気になるなら正しい対策を今すぐ始めよう
フケの対策ももちろん大切ですが、薄毛が気になるようでしたらフケ対策と合わせて薄毛の対策も始めましょう。いくらフケの対策をしたところで、AGAの進行を食い止めることはできません。
AGAの治療としては、飲み薬や発毛剤の使用が基本となります。フィナステリド(プロペシア)やデュタステリド(ザガーロ)はジヒドロテストステロンの生成を抑える飲み薬としてよく使われるものです。発毛剤だとミノキシジルがあります。
AGAは治療開始までの時間が長ければ長いほど効果が出にくくなるため、薄毛が気になり始めたら早めに治療を開始しましょう。
まとめ
フケには頭皮の乾燥が原因で起こる乾性フケと、皮脂の過剰が原因の脂性フケとがあります。乾性フケの場合は頭皮の皮脂を奪いすぎないシャンプーを使うこと、脂性フケの場合は逆にしっかり皮脂を落としてあげることが大切です。
フケは薄毛の原因だと言われることがありますが、薄毛のほとんどはAGAによるものなのでフケはあまり関係ありません。ただしフケが多い頭皮環境は髪の毛の健康に影響が出るので早めに改善しましょう。
薄毛には薄毛のための対策が必要となるため、薄毛が気になる方も早めに医師へ相談してください。