ご予約はこちら
お電話はこちら
close

抜け毛と紫外線の関係

紫外線といえばシミやそばかすの原因となることで良く知られていますが、実は髪の毛にも良くない影響を与えます。時には「紫外線が抜け毛の原因になる」と言われることもあるものです。具体的に紫外線が髪の毛にどのような影響を与えるのか、どうやって紫外線から髪の毛を守ればいいのかをご紹介します。

紫外線が髪の毛に与える影響

ついつい肌への影響ばかりを考えてしまいますが、紫外線は間違いなく髪の毛にも影響を与えます。髪の毛を健康に保ちたいと少しでも思っているのなら、紫外線の影響は知っておいて損はありません。まずは紫外線が私たちの髪の毛にどのような影響を与えているのかを見ていきましょう。

髪の毛が細くなる

髪の毛が紫外線に当たると、タンパク質が髪の毛から溶け出すことがわかっています。髪の毛は中心部分にあるメデュラ、その周りを囲むコルテックス、そして1番外側にあるキューティクルの3層から成る構造からできているのが特徴です。このうちコルテックスの部分はほとんどをタンパク質が占めており、コルテックスの太さがそのまま髪の毛の太さに直結します。

強い紫外線を当てるほど、長い時間にわたって紫外線に当たるほどコルテックスからのタンパク質溶出量が増えていくことがわかっています。タンパク質が溶け出すということはつまり、髪の毛が細くなってしまうということです。髪の毛の本数は同じでも1本1本が細くなると、ボリュームが少なくなってしまいます。

弾力やコシ、まとまりがなくなる

紫外線がもっとも強くなる真夏の正午頃と同等の紫外線を、毎日1時間、3か月にわたって浴びた場合を想定して毛髪のダメージ量を計測した研究があります。この研究によると、紫外線を浴びた髪の毛は、浴びていない髪の毛と比べてうねりが強くなり弾力やコシがなくなることがわかりました。また、まとまりもなくなるため、全体的にパサついて見えてしまいます。

キューティクルがダメージを受ける

紫外線は、髪の毛のもっとも外側に存在するキューティクルにも影響を与えます。紫外線によってキューティクルに空洞ができることがわかっているのです。この空洞はキューティクルホールと呼ばれており、キューティクルホールが大きくなったり増えたりすると髪の内部からタンパク質や水分が失われやすくなってしまいます。髪の毛の約80%はタンパク質であることから、タンパク質の流出は髪の毛が細くなることにつながっていくのです。

枝毛や切れ毛が増える

髪の毛の大部分を占めているタンパク質は、ほとんどがケラチンからできています。ケラチンはシスチン結合によってアミノ酸がくっつくことでできているのが特徴です。健康な髪の毛の場合はシスチン結合がしっかりしています。しかし紫外線などのダメージを受けた髪の毛はシスチン結合がところどころ切れてしまうのです。その結果、髪の毛にうねりができたり、切れ毛が増えたりします。

頭皮にダメージを与える

紫外線を浴びると、肌と同様に頭皮も日焼けしてしまうものです。すると頭皮がパリパリとフケのようにむけたり、赤く炎症を起こしたりします。また頭皮の水分量が減少するため、バリア機能が低下してしまうこともわかっています。このような頭皮のトラブルが起きることで髪の毛が健康に育ちにくくなり、薄毛につながってしまうことも否定できません。紫外線が抜け毛に悪影響を与えているという論文は十分ではないのですが少しはあります。

参考資料:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj/48/4/48_271/_article/-char/ja/

紫外線が薄毛の直接的な原因にはなりにくい

紫外線は髪の毛の大部分を占めるタンパク質を溶出させたり、キューティクルホールを作ってタンパク質が流れ出しやすい状態を作ったりします。そのため紫外線によって髪の毛が細く弱々しくなりやすいのは事実です。しかし男性の薄毛はほとんどが、AGA(男性型脱毛症)によるものだと言われています。

薄毛は男性ホルモンの影響で起こる

日本人男性の約3人に1人が悩んでいると言われている薄毛は、男性ホルモンの影響で起こるものです。髪の毛は、太く長く成長する成長期、抜ける準備を始める退行期、そして抜け落ちていく休止期という毛周期と呼ばれるサイクルを回っています。男性ホルモンの1つであるジヒドロテストステロン(DHT)が成長期を短くしてしまうため、AGAの方は髪の毛が成長しきらないまま退行期や休止期へ移ってしまうのです。

薄毛のなりやすさは体質によるところが大きい

睡眠時間や喫煙、紫外線や食生活など、髪の毛に影響すると考えられているものは数多く存在します。しかしAGAのなりやすさは遺伝によって決まるものが多いのが現実です。たとえばジヒドロテストステロンを作り出す5αリダクターゼ(5α還元酵素)の働きの強さ、ジヒドロテストステロンの働きやすさは生まれ持ったご自身の体質によって決まります。

紫外線から頭皮を守るためにできること

薄毛の大部分を占めるAGAは男性ホルモンの影響によるものです。しかし紫外線も髪に良いものではありません。健康な髪の毛を保つためには、日頃から紫外線対策をしておくことも重要でしょう。

髪の毛用の日焼け止めを使う

日焼け止めには髪の毛用のものも販売されています。多くはスプレータイプです。出かける前に軽くスプレーしておくだけで、紫外線によるダメージを防げます。日焼け止めのスプレーには液垂れがしやすかったり、髪の毛がきしみやすかったりするものもあるので、ドラッグストアの店頭で実際に手にとって試してから購入するのがおすすめです。

帽子をかぶる

日焼け止めスプレーは面倒、きしみが苦手という方は帽子をかぶるだけでも違います。髪の毛に紫外線が直接降り注ぐのを防げるため、簡単に対策ができるでしょう。ツバが広いものをかぶれば顔周りの紫外線対策にもなります。しっかり紫外線を防ぎたい場合は、UVカット効果のあるものを選ぶと良いでしょう。

ちなみに帽子をかぶると薄毛になるという噂もありますが、これは迷信です。たしかに帽子をかぶると頭部の湿度や温度が上がって雑菌が繁殖しやすくなりますが、しっかりとシャンプーして清潔にしておけば問題ありません。

日傘を使う

近頃では男性でも日傘を使われる方が増えてきました。紫外線も防げますし、日光が直接当たらないのでいくらか涼しく感じます。帽子と違って頭部が蒸れることもありませんので、意外と使いやすいものです。

まとめ

紫外線は髪の毛の大部分を占めるタンパク質の量を減らし、髪の毛を細くしてしまいます。またシスチン結合が切れることで切れ毛の原因にもなるため、髪の毛のボリュームに影響することは確かです。とはいえ紫外線だけの影響で第三者から見てもわかるほどの薄毛になることは考えづらいでしょう。日頃から日焼け止めや帽子で紫外線対策をしつつ、病院で薄毛の治療も始めることがおすすめです。

ご予約はこちら